平家物語ー扇の的ーを全訳してみる<解説編>その1

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さぁ、今回からは平家物語ー扇の的ーの解説です。ボクが中学生のころも教科書に掲載されていた文章です。…だからどうした。

…ということで、ではすすめていきましょう。ちなみに、<テスト編>はこちらです。

01)ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、
02)をりふし北風激しくて、
03)磯打つ波も高かりけり。
04)舟は、揺り上げ揺りすゑ漂へば、
05)扇もくしに定まらずひらめいたり。

(『平家物語』より)

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01)ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、

■ころ=時
■酉の刻=読み とりのこく/意味 午後六時
■ばかり=ほど
 ※ここでは「時間」についていますので、「〜頃」と訳しています。
■なる=〜だ/〜である

訳)は二月十八日、午後六時のことであっが、

02)をりふし北風激しくて、

■をりふし=読み おりふし/意味 おりから
■「北風(が)激しくて」と「が」が省略されています

訳)おりから北風激しく吹いて、

03)磯打つ波も高かりけり

■けり=〜た(過去)

訳)岸を打つ波も高かっ

04)舟は、揺り上げ揺りすゑ漂へば

■揺りすゑ=読み ゆりすえ/意味 揺り落とされ
 ※「据う(=すう)」が「所定の位置におく」という意味合いがあります。上がったら、下がるのは当然ですね。そこから上記のような意味となっています。
■漂へば=読み ただよえば/意味 漂うので
 ※エ段+「ば」=〜と/〜ところ/〜ので

訳)舟は揺り上げられ、揺り落とされ、上下に漂っているので

05)扇もくしに定まらずひらめいたり

■たり=〜た(完了)/〜ている(存続)

訳)扇も竿に定まらず、ひらひらと動いている

今回は少々短めに。次が結構大切な「対句表現」の出てくる箇所ですので。一度に扱うのは負担が大きかろうかと。ボクの。

…ということで、今回の復習テストです。

1)「ころ」の意味は?
2)「酉の刻」の読みと意味は?
3)「ばかり」の意味は?
4)「をりふし」の読みと意味は?
5)「けり」の意味は?
6)「揺り据ゑ」の読みと意味は?
7)「漂へば」の読みと意味は?
8)エ段+「ば」の意味は?
9)「たり」の意味は?


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