平家物語ー敦盛の最後ーを全訳してみる<解説編>その2

高校入試、中学校での日々の学習など、国語が苦手な人のために、「これだけは」という問題を紹介。受験対策や定期試験対策に活用して下さい。

平家物語ー敦盛の最後ーの二回目です。前回も書きましたが、登場人物は二人です。けれど、「これは誰の動作か」「これは誰のことを言っているのか」ということを聞くと答えられないことが多いです。なんども読み込んで、人間関係をしっかりととらえましょう。まずは、前回の復習テストから。

1)「あれは大将軍とこそ見まゐらせ候へ」の係助詞と結びの語を答えなさい
2)「まゐる」の読みは?
3)「候へ」の読みは?
4)「まさなう」の読みと意味は?
5)「たまふ」の読みと意味は?
6)「かな」の意味は?
7)「けり」の意味は?
8)エ段+「ば」の意味は?
9)前後で主語が変わることの多い接続詞を五つ答えよ

それでは、次の本文を読んでいきましょう。

08)みぎはに打ち上がらんとするところに、
09)押し並べてむずと組んでどうど落ち、
10)とつて押さへて首をかかんと、
11)かぶとを押しあふのけて見ければ、
12)年十六、七ばかりなるが、
13)薄化粧して、かね黒なり。

(『平家物語』より)

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1)係助詞 こそ(強意)/結び 候へ
2)まいる
3)そうらえ
4)読み まさのう/意味 見苦しくも
5)読み たもう/意味 〜なさる
6)〜よ
7)〜た(過去)
8)〜と/〜ところ/〜ので
9)を/に/が/ど/ば

08)みぎは打ち上がらとするところに、

■みぎは=読み みぎわ/意味 波打ちぎわ
■打ち上がる=「打ち」にはそれほど意味がありません。「ぶんなぐる」の「ぶん」と同じだと思って下さい。「ぶんなぐる」と「なぐる」にはあまり差はないですよね。意味の上では「上がる」と同じだと思っておいて下さい。
■ん(む)=〜しよう
 ※「意志」をあらわす助動詞です。これは入試でもよく出てくる助動詞です。関西の人は「〜ない」と勘違いする可能性が微粒子レベルで存在するので(笑)気をつけましょう。

訳)(その武者が)波打ちぎわ上がろとするところに、

09)押し並べてむずと組んでどうど落ち、

■08)で「上がろう」としたのは、平家の若武者です。それに対して、09)の主語は熊谷です。これは意味で判断するしかないところなので、しっかりと覚えておきましょう。
■押し並べて⇒何を並べるのかが書かれていませんが、熊谷も平家の若武者も馬に乗っています。そのあたりを想像しておきましょう。まぁ、マンガででも読んでいれば。このあたりは簡単に把握できますが。
■どうど=どうっと

訳)(熊谷は馬を)強引に並べてむずと組んでどうっと落ち、

10)とつて押さへて首をかかと、

■とつて=読み とって
■首をかく=首をかき切る(これも、わからなければ「打ちあがる」の「打ち」の時と同じく、「かき」を取ってみて下さい。「首を切る」という意味です)
■ん(む)=〜しよう(意志)

これは誰の動作でしょうか?
熊谷でしょうか、平家の若武者でしょうか?

「をにがどば」の接続助詞が前にないので、
09)と同じく熊谷の動作だと考えます。
…ということは「首」は誰の首でしょうか?
そうですね。平家の若武者の首です。
まとめると、

熊谷が平家の若武者の首を切ろうとしている

ということですね。

訳)取り押さえて首をかき切ろと、

11)かぶとを押しあふのけ見ければ

■押しあふのけて=読み おしおうのけて 意味 あおむけにして
■けり=〜た(過去)
■見ければ=見たところ
 ※これは前回の復習ですね。

エ段+ば⇒〜と/〜ところ/ので

ちなみにこれは誰の動作でしょうか?
熊谷でしょうか? 平家の若武者でしょうか?

「をにがどば」の接続助詞が前にないので、
10)と同じく熊谷の動作です。
さぁ、その熊谷は「誰」を見たのでしょうか。
…そうですね。
平家の若武者です。
整理すると、

熊谷が、平家の若武者をみた

ということです。そして、最後に、

見けれ

と「ば」がついていることに注意しましょう。次は主語が変わる可能性が高いです。

訳)かぶとをあおむけにして(顔を)見たところ

12)年十六、七ばかりなるが、

■ばかり=くらい
■なる=である

前に接続助詞「ば」があるので、主語が変わっていると考えましょう。
だれが「年十六、七」くらいなのでしょうか。

…そうですね。平家の若武者です。

訳)年十六、七くらいである(若武者)が、

13)薄化粧して、かね黒なり

■かね黒=お歯黒
 ※お歯黒というのは、平安貴族のおしゃれのひとつです。くわしくはこちらで。
■なり=だ/である

訳)薄化粧をして、お歯黒である。


今回は、全訳以外に「誰の動作か」をとらえることが大切でした。入試でも大切になってくるので、なんども解説を読み込んで自分のものにしましょう。それでは、復習テストです。

1)「みぎは」の読みと意味は?
2)「打ち上がる」の意味は?
3)「ん(む)」の意味は?
4)「どうど」の意味は?
5)「とつて」の読みは?
6)「首をかく」の意味は?
7)「押しあふのけて」の読みと意味は?
8)「けり」の意味は?
9)エ段+「ば」の意味は?
10)「見ければ」の意味は?
11)前後で主語が変わる可能性が高い接続助詞を五つ答えなさい。
12)「ばかり」の意味は?
13)「なる」の意味は?
14)「かね黒」の意味は?
15)「なり」の意味は?


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2012.06.07 12:17 | [中学古典を全訳してみる]平家物語 | トラックバック(-) | コメント(0) |
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