中学国語の名作を読む 走れメロス<読編>13

高校入試、中学校での日々の学習など、国語が苦手な人のために、「これだけは」という問題を紹介。受験対策や定期試験対策に活用して下さい。

さてさて、では走れメロスの続きですね。どんどんと詠んでいきたいと思います。まずは、前回までの疑問点を確認しておきましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスは、セリヌンティウスのために約束の刻限までに戻ってこれるのか

こうした疑問が解決されるのかどうか…解決されるとするならばいつなのか? なんてことを考えながら、今回も疑問を持ちながら、積極的に詠んでいきましょう。まずは本文を音読二回ほどしてください。

 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞《かんねい》邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。さらば、ふるさと。若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止《や》み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは額《ひたい》の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気《のんき》さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。

太宰治『走れメロス』より

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 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞《かんねい》邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。さらば、ふるさと。

さて、まずは文法的なところの確認をしておきましょう。

「のだ」=前の文を説明するはたらき

今回は、前の文を「くわしく言い換えている」ということですね。「のだ」をたたみかけて、リズムを生み出しています。このあたりは見事という他ないです。このあたりのことについては、この記事が参考になります。

若いメロスは、つらかった

あれあれ? ちょっと雲行きが怪しくなってきました。前回の終わりからずっとプラスイメージのことばで埋め尽くされていたのですが…。

若い時から名誉を守れ⇒若いメロスはつらかった

となっています。このあたりの巧みさですね。さて、マイナスイメージのことばが出始めました。そのあとはどうなるんでしょうか?

幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止《や》み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。

なんとか大丈夫なようです。走り出してからの文は、長いものの、「、」でつなぐことでリズムを生み出しています。

メロスは額《ひたい》の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。

さて、プラスイメージのことばがどんどん出てきています。ここで頭をよぎる疑問が、

本当に大丈夫なのか?

そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気《のんき》さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。

…大丈夫じゃなかった。

プラスイメージのことばが続きすぎると、マイナスに反転してしまうということですね。武田信玄の「七分勝ち」、孔子の「過ぎたるは尚及ばざるがごとし」ということばからもよくわかりますね。

さて、このあとの展開も気になりますが、それはまた、次回に。

最後に、今までの疑問を再度確認しておきましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスは、セリヌンティウスのために約束の刻限までに戻ってこれるのか

特に今読んでいる文章では、二つ目の疑問が大切ですね。それをメインで次回も読んでいきましょう。復習として二回ほどの音読も忘れずに。

名優による『走れメロス』の朗読を聴きたければ⇒こちらへどうぞ。
2012.06.26 10:55 | [中学国語の名作を読む]走れメロス<読編> | トラックバック(-) | コメント(0) |
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