中学国語の名作を読む 走れメロス<読編>06

高校入試、中学校での日々の学習など、国語が苦手な人のために、「これだけは」という問題を紹介。受験対策や定期試験対策に活用して下さい。

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さぁ、今回も続きを読んでいきましょう。
授業では、一分で済むようなことでも、文字にするとかなりの長さになってしまいます。
だからといって、授業の方が良いとはボクは思いません。一度聞き逃したら、もう聞けないわけですから。教える側は、それをさけるために何度も強調し、黒板に文字を書き、テストをするのです…が、それでも伝わらないこともしばしば。

はい、○○ページを開いて…

と三回伝えた上で、黒板にそのページ数を書いたにも関わらず、

先生、どこ??

という生徒が。別のことを考えてたり、別のことをしているんですね。こちらからはみえていて、わかってはいるんですが。まぁ、烈火のごとく怒りますが(笑)

ところが、ブログのように書物であれば何度も読み返すことができます。一度だけではなく、何度も読み返すことで気づくことがあるはずです。がんばって読みなおしましょう。

…長くなりました。では、読みましょう。王を除こうとしたメロスですが、つかまってしまいましたね。出てきた疑問を確認しましょう。

王はメロスをどうするつもりか?

いつものように、疑問を持ちながら、予測をしながら、積極的に音読を二回してから解説に進んで下さい。

「おまえがか?」王は、憫笑《びんしょう》した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁《はんばく》した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟《つぶや》き、ほっと溜息《ためいき》をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはメロスが嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」
「だまれ、下賤《げせん》の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔《はりつけ》になってから、泣いて詫《わ》びたって聞かぬぞ。」(太宰治『走れメロス』より)



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「おまえがか?」王は、憫笑《びんしょう》した。



王が「笑」った、という内容がわかれば十分です。
ただ「笑う」にはいくつもの種類があり…

憫笑の「憫」は、訓読みで「あわれむ」と読みます。
「下に見て笑う」という意味でとらえておけばいいでしょう。

「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」



「孤独」とは「ひとり」ということです。
王が孤独(=ひとり)とはどういうことでしょうか。身のまわりの人をどんどん殺しておいて、「オレは孤独だ」ってのはどういうことでしょうか? ここでひとつの疑問が出てきましたね。

王が孤独とはどういうことか?

「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁《はんばく》した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟《つぶや》き、ほっと溜息《ためいき》をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」



先ほどの問いが、赤字の部分でくわしく説明されています。
王が、もとから孤独で、人を信じることができないということではなかったようです。人の心があてにならないという何かを経験したのではないでしょうか。ここで新たな疑問が出てきます。

王が、人の心はあてにならないと思ったきっかけは何なのか。

「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはメロスが嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」



「自分は孤独だ、不幸だ、人を信じることができない」と嘆く王に、

メロスが見事な正論返し

何があったかはわかりませんが、王の孤独というのには同情の余地はあります。が、無実の人を殺したという事実は変わりません。この辺りの議論はスリリングです。

「だまれ、下賤《げせん》の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔《はりつけ》になってから、泣いて詫《わ》びたって聞かぬぞ。」



さて、議論に負けた王。今度は、自らの権力でメロスを押さえかかろうとします。
「磔(はりつけ)」ということばはわかるでしょうか。わからなくても、予想はつきますね。

おまえだって、いまに、○○になってから、泣いて詫(わ)びたって聞かぬぞ。

メロスが、○○になってから、泣いて詫びそうなものということですね。
身のまわりの人をどんどん殺してきた王のこと。○○に入るものは、「人を死に追いやる何か」ということは簡単に想像できませんか? そこまでわかれば問題ないです。

ちなみに、磔(はりつけ)というのは、罪人を板や柱にくくりつけて行う公開処刑のことです。

さぁ、メロスに議論で負けた王は、権力の行使をしようとします。これまでの疑問を整理しておきましょう。

王は、メロスをどうするつもりなのか。
王が、人の心はあてにならないと思ったきっかけは何なのか。


ですね。もう一度復習として音読をして、次回をお待ち下さい。


名優による『走れメロス』の朗読を聴きたければ⇒こちらへどうぞ。

2012.05.02 13:21 | [中学国語の名作を読む]走れメロス<読編> | トラックバック(-) | コメント(0) |
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