中学国語の名作を読む 走れメロス<読編>08

高校入試、中学校での日々の学習など、国語が苦手な人のために、「これだけは」という問題を紹介。受験対策や定期試験対策に活用して下さい。

さぁ、今日も読んでいきましょう。まずは今まで積みかさねている疑問を確認しておきましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスは、王にどうやって条件を受け入れさせるのか


ということでしたね。では、今回も積極的に、疑問をもって、予測をしながら音読を二回してください。

「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」
 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑《ほくそえ》んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙《だま》された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩《やつばら》にうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
 メロスは口惜しく、地団駄《じだんだ》踏んだ。ものも言いたくなくなった。(太宰治『走れメロス』より)



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「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ


「のだ」の使い方を覚えているでしょうか。なんども出てきているので大丈夫ですよね?

「のだ」「のである」=前の文を説明するはたらき



でした。今回は、前の文である「私を、三日間だけ許して下さい。」という文の理由を説明するはたらきをしています。これは今までの復習。

そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。


第一回の交渉が決裂してしまったために、第二回の交渉にいどむメロスです。
…が、いきなりセリヌンティウスの話になりました。ここで疑問。

なぜいきなりセリヌンティウスの話が出てくるのか?

私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」


「セリヌンティウス」→「私の無二の友人」→「人質」→「あの友人」と言い換えられていることに気づいたでしょうか。すると、先ほどの疑問と「メロスはどうやって王に条件を受け入れさせるのか」という疑問の答えが出てきます。

セリヌンティウスを人質にする。

 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑《ほくそえ》んだ。


「残虐な気持」とは?
王はメロスの提案を受け入れないのか?


生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙《だま》された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい


これは王の心の声ですね。中間テストや期末テストで王の考えを書いている部分を答えさせる問題が良く出るので気をつけましょう。「残虐な気持」の説明部分でもありますね。

「残虐な気持」=「面白い」=「気味がいい」と言い換えられています。その中身は…

だまされた振りをして(メロスを)放す。
そうして、
身代わりの男を、三日目に殺す。

人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩《やつばら》にうんと見せつけてやりたいものさ。


また「のだ」が出てきました。今回は前の文を「言い換え」ています。
それにしても、またあの疑問が出てきます。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか。

「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
 メロスは口惜しく、地団駄《じだんだ》踏んだ。ものも言いたくなくなった。


このあたりは、今までと同じような表現です。疑問を持って読んでいれば、このあたりはすいすいと読めるはずです。そこで生じる疑問が…。

メロスはいったいどうするのか。

ん? いや、まだメロスはセリヌンティウスに出会ってもいませんでしたよね。

セリヌンティウスは人質になるのか。

そんな疑問も出てくるはず。では、最後に今までの疑問を整理しましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスはいったいどうするのか
セリヌンティウスは人質になるのか


では、最後に音読をして復習をしておいてください。


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2012.05.04 08:04 | [中学国語の名作を読む]走れメロス<読編> | トラックバック(-) | コメント(0) |
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