中学国語の名作を読む 走れメロス<読編>09

高校入試、中学校での日々の学習など、国語が苦手な人のために、「これだけは」という問題を紹介。受験対策や定期試験対策に活用して下さい。

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さぁ、今回も『走れメロス』を読んでいきましょう。
本当にぼちぼちですが、「頭のはたらかせかた」を中心に説明しています。はじめは意識的に読むことで、慣れてくると同じ作業を無意識的にすることができます。がんばりましょう。

では、今までの積み残しの疑問をさらっておきましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスはいったいどうするのか
セリヌンティウスは人質になるのか


今回も、疑問をもって、積極的に、予測をしながら音読を二回して解説に進みましょう。

 竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳《よ》き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯《うなず》き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌《あく》る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊《こんぱい》の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
 妹は頬をあからめた。
「うれしいか。綺麗《きれい》な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。(太宰治『走れメロス』より)



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 竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。


今まで話には何度も出てきたものの、セリヌンティウスが初めて登場するシーンです。ここで今までの積み残しの疑問を思い出して下さい。

セリヌンティウスは人質になるのか

暴君ディオニスの面前で、佳《よ》き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯《うなず》き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。



なりましたね。では、そこで出てくる積み残しの疑問。

メロスはいったいどうするのか

…ただ、これではちょっとわかりにくいので、詳しく言い換えてみましょう。

メロスはセリヌンティウスのために戻ってこれるのか

メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌《あく》る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。



メロスは村に戻ってきました。そこで、新たな登場人物が。セリヌンティウスと同じく、話には出ていたものの、実際には始めて登場する、メロスの妹です。チェックをしておきましょう。メロスは何をしに村に戻ってきたのか覚えているでしょうか。

妹の結婚式をあげるため

でしたね。もともとシラクスの町にいったのも、そのためでした。さて、ここで疑問が出てきます。

メロスは、無事、妹の結婚式をあげることができるのか

よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊《こんぱい》の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。



赤字の部分が、先ほどの疑問の答えになっています。結婚式を早めようとしているわけですね。

 妹は頬をあからめた。



メロスを中心に読んでいますが、ボクはこういう表現が好きです。このシーンまでの悲劇的な展開のなかで、こういう表現がある。コメディととらえることもできますね。温度差からくる笑いというか、桂枝雀師匠の「緊張(きんちょう)と緩和(かんわ)」とでもいいましょうか。コントでよく使われる手法ですね。

…ま、どうでもいいところですが(笑)

「うれしいか。綺麗《きれい》な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。



結婚式を早めるために、いろいろと準備をするメロス。
ですが、結果として…

え?

寝たの?

最後の一文は長いですが、「主語と述語(ここでは正確には述部)」をしっかりと捉えれば、「オチ」を知ることはできます。さぁ、ここで疑問。

メロスはいつ起きるのか

「寝落ち」してしまったメロスの気持ちもわからなくはないですが、それにしても締め切りがあります。さぁ、間に合うのでしょうか。「妹は頬をあからめた」以降、なんだかコメディ色が見え隠れするのですが、この辺りもコメディの色が強くなってきます。…と思うのはボクだけでしょうか。

さぁ、最後に積み残しの疑問を確認して、音読で復習しておきましょう。

王が、人を信じられなくなったきっかけは何なのか
メロスは、セリヌンティウスのために戻ってこれるのか
メロスは、無事、妹の結婚式をあげることができるのか
メロスは、いつ起きるのか



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2012.05.06 14:36 | [中学国語の名作を読む]走れメロス<読編> | トラックバック(-) | コメント(0) |
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